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76話 着替え中のティナと遭遇するそら

作者: みみっく
last update 最終更新日: 2025-12-11 06:00:33

「用意、早かったね」

 そらが驚きを込めて声をかけると、ティナは冷静に答えた。

「わたしは移動が多いので、慣れと荷物が少ないのですよ」

 移動に慣れているらしく、ティナは迷いのない足取りでそらの家がある方向へと町を後にした。

 やがて町外れに差し掛かると、ティナが周囲の風景に少し不安そうな表情を浮かべた。

「そらさんの、おうちは遠いのですか?」

「んー……近いよ」

 そう言ってそらが向かったのは、前回も何度か通った、周囲の木々に覆われた洞窟だった。入り口に足を踏み入れた途端、ティナが暗く湿った空気と洞窟の雰囲気に眉をひそめる。

「……何です……ここ、本当に大丈夫なんですか?」

「大丈夫だよ。すぐに着くから」

 そらが安心させるように言うと、ティナは疑いの眼差しを向けた。

「……ほんとですか?」

 ジト目で、こちらを見上げてくるティナ。その少し困ったような表情が、そらにはまた可愛らしく見えた。

 洞窟を抜けると、一瞬で目の前が開け、そらの家の近くに出た。ティナがその魔法のような移動に驚いた声を上げる。

「こんな所に出るんですね。知りませんでした」

 そして家の前に到着すると──中から皆が一斉に飛び出してきて、賑やかに出迎えてくれた。エルもアリアもフィオもステフもノアも、皆が笑顔でティナを歓迎する。

 ティナが皆の前で自己紹介をする。その表情は少し緊張していた。

「しばらくお世話になります。えっと……そらさんの魔法の講師を頼まれた、ティナです」

 すると今度は、ブロッサムがそらに向かって、ジト目で疑いの視線を送ってくる。その声音には呆れとわずかな嫉妬が混じっていた。

「……また、可愛い女の子を連れて来たのですか?」

 久しぶりに感じる、その視線がちょっと痛い。

 アリアは素直な感情をそのまま言葉にし、目を輝かせ

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